サーバントリーダー10の属性とは

ラリー・スピアーズ氏は、サーバントリーダーには、下記の10の属性があると述べています。一つ一つの内容に関しては、管理人が独自の解釈を入れています。

①傾聴(Listening)

相手の望むことを意識的に聞き出すことである。英語では、アクティブリスニングとも言われている。同時に自分の内なる声にも耳を傾け、自分の存在意義も認識していくことが大切である。

②共感(Empathy)

自分の主観的な考え方を持ちながら相手の意見を理解することは共感ではない。相手の意見を相手の立場になって感じ、相手の気持ちを感じながら、相手の気持ちを理解しようとすること。共感も訓練して身に着けていくことができる。

③癒し(Healing)

人の心は、癒しを必要としている。人を癒すことを学習していくことは大切である。何か欠落しているもの、傷ついているところを見つけ、その傷を癒していくことができれば、相手が再び立ち上がるきっかけになっていく。

④気づき(Awareness)

日々の生活の中で、意識を高めることが大事だが、とくに自分への気づき(self-awareness)がサーバント・リーダーとして資質が高まっていくことにつながる。自分を知り、そして、周りを知っていくこと。

⑤納得(Persuasion)

権力や役職を利用して、または、何かのパワーを利用して相手を説き伏せることで、真の納得につながることはない。そのような権力や力を使わずして、相手が納得できるアプローチができるのがサーバントリーダーの資質の一つである。

⑥概念化(Conceptualization)

壮大なビジョン、大きな夢を描く(dream great dreams)能力を育てることは重要である。日常の目標を超えて、自分の考え方の枠組みを広げていくこと。思考を広げていくことで、自分の作り上げた枠を超えて、ビジョンを練り上げていくことができる。

⑦先見力、予見力(Foresight)

不透明な時代の中で、未来を見通す力、将来を見据えていく力を養うこと。概念化とも関連しているが、いろいろな情報や知見を統合していくことで、将来が見えていくようになる。過去の経験や知見、現在の状況を鑑みながら、将来起こりそうな出来事が見えてくる。

⑧執事役(Stewardship)

執事役とは、大切ことを任せても信頼できると思われるような人物のことである。社会のために、より大きな志をその人になら信託できると思われるような資質である。

⑨人々の成長に関わる(The growth of people)

人々には、現状の働きだではなく、その人の人格そのものを信じ、その人の存在そのものがどれほど大切かを信じることができる心の力を養うこと。一人一人を信じ、その人たちの成長のために、人生を用いていくこと。

⑩コミュニティ作り(Building community)   

サーバントリーダーは孤独ではない。サーバントリーダーは、人との繋がりを大切にしている。サーバントリーダーは、同じ志を持つコミュニティを創り出していく力を兼ね備えていく。

出典:10の属性は、サーバントリーダーシップ ロバート・K・グリーンリーフ (著), 金井 壽宏 (監修), ラリー・C・スピアーズ (編集)

Larry C. Spears(1998).”Tracing the Growing Impact of Servant-Leadership.”In Larry C. Spears ed.(1998).Insights of Leadership:Service, Stewardship, Spirit and Servant-leadership.New York: John Wiley & Sons.pp.3-6の記述より